バリ島に一度だけ、ダイビングに行ったことがあります。
また行きたいなー、なんて思いながら、もうずいぶん経ってしまいました。
チャンディダサに宿泊して、Tulamben とか Amed に潜りに行きました。
途中、富士山によく似たフォルムの標高 3031m の成層火山アグン山を眺めつつ、
美しい棚田を縫って走って、辿り着いたのがゴロタの海岸。
うわー、伊豆の海岸みたいだねー、なんて思ったりもして。
サンゴ砂の海底と違って、黒っぽい火山岩の海底は反射係数が低いのか、それとも
陸水由来でプランクトンが多くて透明度が低いからなのか、海中がちょっと暗いんですよねw
地上は南国のまばゆい日差しなのに海中とギャップが大きくて、
写真は完全に露出を失敗しました>< (帰国して現像するまで気づかないという ... orz)
もうひとつの違和感はアグン山でしょう。富士山は5合目のチョイ上あたり、
標高2500m付近で森林限界がきて、背の低い高山植物がまばらに生えるだけ。
大部分の山肌が露出していますね。一方アグン山は山頂まで樹木の緑です。
アグン山の山頂は火口のクレーターというから、
露出した山肌が裾野から見えてないだけだとは思いますが。
富士山頂は北緯35度21分38秒、アグン山は南緯8度20分27秒、同じくらいの低緯度にある
キリマンジャロ(標高5895m、南緯3度04分)では3000m付近に森林限界(Wikipedia
)、
とのことで、遠景には冠雪(氷河)も見ることができますね。
富士山は温帯、キリマンジャロは熱帯ですが、どちらも森林限界よりも上ははツンドラになります。 アグン山も山頂はツンドラなんでしょうか?? 登ってみないとわかりません ^^;
日本は生物多様性のホットスポットだと言われます。地形の変化に富むことが理由のひとつ、
亜寒帯から亜熱帯までの気候区分をもつことがもうひとつの理由になると思います(気象庁
)。
そして、前述したとおり、山岳地帯は森林限界から上がツンドラになります。結局、
日本は多様な環境をもつ、ということが、生物の多様性につながっている、ということだと思います。
もっとも、海の生物は南方ほど種多様性が高いようですがw 伊豆大島の星野さんが見つけて、
ぼくが日本初記録の報告のお手伝いをしたスピオ科多毛類なんかは、そのよい一例です。
フィリピン、インドネシア、マレーシア、ベトナム、タイ、中国と東南アジアの熱帯〜亜熱帯域では、
単純に分類学的な研究が遅れているだけ、という見方もできるかもしれません。
戦争、紛争、植民地支配といったようなことが、これらの国々の分類学的研究を日本より100年以上遅らせた、
なんてことも、日本の生物多様性が高い理由になるかもしれないですね。
この辺を深入りしすぎると、表題テーマから外れすぎるかな。
大気候区は大雑把になりすぎるという指摘もあります。日本の本州北部から九州南部までを
ひとつの気候区にくくるのは、生物の分布から見ても無理があるそうです。
そうかといって、生物の種数の多さを細かい区分けに適用しようとするとかえって不便になるでしょう。
海域ベントスの群集区分が複雑になりすぎて、指標として使いづらくなってしまったように。
こういうものは大雑把に分けるから使い勝手が良い、という側面があるのだと思います。
といいますか、そもそも生物から環境を判断するというのが矛盾した思想なんじゃないのかな。
ぼくはかつて報告で、その点を反証的に明記してみたんですが、あまりレスポンスよくなかったです。
むしろ大気候区には大気候区としての利点があると考える方がよいのかも。
バイオームと密接に関連していますし、地球規模の生物分布を大まかに説明するには、
単純明快であると思うんですよね。陸上に限って言えば。
海は潮間帯を含む浅海域でひとくくりにされるし、そこはちょっと不満かもしれません。
熱帯サンゴ礁、温帯藻場、くらいの感じですかね。強いて言うなら。
有光層以深は深海の括りで、気候区分に関係なく世界中に広がってしまいます。