構造色という言葉自体はいろいろな現象を含む多系統なものですね。
粒子にしろ表面構造にしろ他の成因にしろ、
そのサイズスケールが光の波長と同程度という点では同じですが。
昆虫が金属光沢をもったり照葉樹の葉が光沢をもつことにはどんな理由があるのでしょう。
青魚のたぐいが光を反射する利点は、捕食者から見つかりにくいカウンターシェイドの効果がある、
と考えられています。もっとも、大型の捕食者であるサメ類にもこの体色パターンが見られますが
(被食者に見つかりにくい?)。カウンターシェイドとは、
魚類などの体色から軍用機のカモフラージュとして開発された技術ですね。
海産無脊椎動物や紅藻類には蛍光色を発するものが見られますが、体表の層状構造によるものと思われます。
CD やDVD の記録面が虹色に光って見えるのと同じ原理です。
紅藻類は青白く見えるので、違うメカニズムがあるのかもしれません。
algal luminescence または luminescent algae で画像検索すると夜光虫による発光シーンが多数得られますが、
こちらはホタル同様化学的な発光なので、構造色とは異なる現象です。
タンザクゴカイという多毛類には金属光沢が見られます。学名の chrysopetalum は菊の花弁という意味ですが、
背面を覆う剛毛の形状がそれを思わせます。その剛毛の表面が金属光沢を発する構造になっていて、
モルフォ蝶の羽のような美しい発色となるようです。
Bhawania goodei Webster 1884
ナガタンザクゴカイは光の加減によって金色に見えます。
また、コガネウロコムシ科の剛毛は銅色に光って見えます。
真珠も構造色ですが、層状構造と粒子とのミックスによるものです。
巻貝も二枚貝もオウムガイも、殻の内側に真珠層を発達させるので、
外部に対しての効果を期待しての進化でないことは確かです。
取り出して光を当てたら偶然そう見えて装飾に使われるようになった、と言うだけのことなのでしょうけれど、
実は内面おしゃれさんなんですかねw
空の色、海の色、ともに光の散乱による構造色です。条件が良ければ曇天下でも青い海を見ることができます。
空の色を映しているばかりではないのです(この色は海中で見える色ですね)。
そしてたぶん青潮も構造色によるんじゃないかと考えています。