Mytilus galloprovincialis Lamarck 1819

ムラサキイガイ

Mediterranean mussel

軟体動物門 二枚貝綱 翼形亜綱 イガイ目 イガイ科

shell length 7.3mm
intertidal zone, concrete slope
associated with Magallana gigas (Thunberg 1793)
Funabashi Port, Chiba, Japan
collected by Kazuyuki Yamada, 11 June 2017

Mytilus edulis ムラサキクジャクガイ

Mytilus edulis ムラサキイガイ 波部 1977 51 pl.10.8-9. 波部 1983 273-274 pl.78. 波部ら 1994 99, 166 fig.4.6B-C, 179, 188, 197-198 [ヨーロッパイガイ Mytilus edulis を含む]. 波部ら 1999 178-179, 187.

Mytilus galloprovincialis チレニアイガイ

Mytilus galloprovincialis ムラサキイガイ 奥谷 1994 117-118 fig.1.2.62. 波部ら 1999 75 table 10.1, 235-236, 250, 274, 290, 291, 293. 奥谷 2000 863 pl.429.1. 今原 2011 90 figs. 久保田 2011 75-78.

  日本全国,潮間帯〜水深20m,岩礁,真珠筏など(波部 1977). 日本各地,港湾のブイや漁網,防波堤などに密集(波部 1983). 北海道〜九州,全世界の温帯域,潮間帯〜水深10m(奥谷 2000). 北海道南部〜九州,潮間帯〜潮下帯(今原 2011).
  港湾施設,船底,養殖施設,火力発電所の取水菅,漁網など付着による被害が重大(奥谷 1994).

  ヨーロッパ原産(波部 1977波部 1983). 昭和の初期,船舶に付着して日本に広がった(波部 1983). 昭和初期,神戸港周辺で発見され,短時日に日本全国に広まった(奥谷 1994). 70年ほど前ヨーロッパから船舶交通に紛れて侵入,関東以西の内湾にすむものは地中海起源の M. galloprovincialis,北海道ではキタノムラサキイガイ M. trossulus と交雑, M. edulis は日本に存在しない(波部ら 1999 236).
  地中海原産,1920年代以来日本に定着(奥谷 2000). 地中海原産,1930年代に本州の港湾に定着,人工基質に多いが岩礁でも着生(今原 2011).

  推定寿命は3年(波部ら 1999).

  田辺湾では1994年頃から夏季高水温による死滅を繰り返し,1996年頃からはミドリイガイ Perna viridis がしばしば優占,2011年までにほぼ交代したとみられる(久保田 2011).

07 July 2017

  1. 波部 忠重 1977 日本産軟体動物分類学 二枚貝綱/掘足綱. 北隆館. pp.372.
  2. 波部 忠重 1983, 1990, 1991 学研生物図鑑 貝 II. 改訂第2刷 学研. pp.294.
  3. 波部 忠重, 奥谷 喬司 & 西脇 三郎 1994 軟体動物学概説 上巻. サイエンティスト社. pp.273.
  4. 波部 忠重, 奥谷 喬司 & 西脇 三郎 1999 軟体動物学概説 下巻. サイエンティスト社. pp.321.
  5. 今原 幸光 2011 写真でわかる磯の生き物図鑑. トンボ出版. pp.271.
  6. 久保田 信 2011 和歌山県田辺湾とその近隣海域におけるムラサキイガイの激減とミドリイガイの激増. 日本生物地理学会会報, 66: 75-78.
  7. 奥谷 喬司(編) 1994 水産無脊椎動物,II. 恒星社厚生閣. pp.357.
  8. 奥谷 喬司(編) 2000 日本近海産貝類図鑑. 東海大学出版会. pp.1173.